春立ちぬ


あの東日本大震災から4年が経過した。


いま此処福島で、震災後に戻り子どもたちと暮らしている。
寒い東北の冬を経て、薪を燃やしながら春の到来を目の当たりにする歓びに満ちている。


春の釣りの夢が膨らむ。夏の北海道計画が目覚めていく。





江戸旧が、ホットバイクで特集される。
ボクからも、福島の今を走る焦げパンの姿を彼らに送ろうと思う。



居住制限区域で、打ち捨てられたクライスラーを見かけた。








我らは、旧車の吹き溜まり。場末の止まり木。





誰もいない。しかし、廃墟ではない。ただ時間が止まっているように思えて、走っていると、頭のなかの時間と空間の感覚が薄れていく。あの日の道に、焦げパンが迷い込んでいるのだ。

静寂の気付けに、スロットルを絞り上げる。










『夢のエネルギー』の成れの果て、である。



「オサム君、ウルトラ警備隊のことは知ってるかい? 我々は地球を脅やかす宇宙人と戦っている。オサム君、 ウルトラ警備隊がどうしてあんなに素晴らしい戦いが出来るか解るかい? それはね、我々の全てが、 人間の作った科学の力を信じているからだよ。小さなネジひとつ、 メーターひとつにも、人間の作った最高の科学が活かされている… …そう信じているからこそ、 ウルトラ警備隊はあんなに勇敢に戦えるんだ。解るね。
信じるんだ、オサム君。
人間の科学は人間を幸せにする為にあるんだと。いいね。 解ってくれるね」  

 佐々木守脚本・飯島敏宏監督「ウルトラセブン 第38話『勇気ある戦い』」





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